『営業の魔法』

2007年10月2日 第1刷発行

 

著者:中村 信仁

 

発行者:田中 慎也

 

発行所:株式会社ビーコミュニケーションズ

 

【著者紹介】

昭和41年2月16日生。高校卒業と同時に外資系フルコミッションの営業会社に入社。そこで初めて渡米。日本と海外を行ったり来たりする二重生活が続く。世界142ヶ国に支店をもち200年以上の歴史を持つ外資系営業会社で、幾度もの挫折を経験しながらも、入社初年度から2年間連続世界トップ・テンに名を連ねたプロセールスマン。退職後、東京にて大手書店とのコラボレーションによる英会話学校の立ち上げを任され関東有数の有名スクールに育て上げる (著者紹介より抜粋)

 

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★
お役立ち度 ★★★★
(営業マンなら ★★★★★)
小笠原君応援度 ★★★★★

Amazonのオーディブルからの紹介です。

 

初めてこの本を知ったのは3年前ですが、以来、定期的に聞き直しています。

 

今回の感想文用に改めて聞き直しましたが、今回で累計6回目でした。

 

空気清浄機の若手営業マン「小笠原くん」が、プロのセールスマン「神谷さん」にひょんなことから弟子入りし、毎週レクチャーを受けながら少しずつ成長していく過程を、小説形式で紡いでいる物語です。

 

毎回、最後の場面で感情移入して、かなり泣けます(T o T)

(オーディブルなので、音楽や効果音が巧みに挿入されているあたり、にくいですねw)

 

私自身、新入社員のころから営業が長く、それなりに自信もある方ですが、今でも参考になる考え方や技術が紹介されています。

 

若手営業マンや、営業に苦手意識を持っている方は、是非×10、読んで頂きたい一冊です。

 

今回は、それなりに営業に自信が付いてきた私でも、改めて気付かされたテーマを一つだけご紹介します。

〜ホンモノの「Yes but話法」〜

突然ですが、皆さんは「Yes but話法」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?

 

お客様から「No」をいただいた時に、いきなり反論するのではなく、「その通りですね。しかし・・・」と切り返す話法です。

 

私は、新人研修の時に学びました。

 

ですが、若手時代に実践してみましたが、効果を感じたことは一度もありませんでした。

 

みなさんはいかがですか?

 

ちょっと、例示してみましょう。

 

[金利交渉の場面]

 

①間違えた「Yes but話法」

 

顧客「あなたの立場も分かりますが、やはり金利が高いですね。」

 

私「おっしゃる通り、安くはありません(Yes)。しかしですね、(but)我々は他の地銀さんや信金さんとは違うのですよ。安心・安全・高レベルのサポートとのトレードオフで、相応の基準になっていることは、ご理解頂けますと幸いです。」

 

顧客「それはもちろん理解しています。ご担当や課長さんのレベルにも満足しています。ただですね、実際に他の金融機関から提示されている水準と大きく離れていると、社長や経営陣に説明がつかないのですよ。」

 

私「そうですか。金額や期間は同一の条件なのですか?」

 

顧客「いえ、金額は同一ですが、期間は1年です。おたくは3年ですよね。」

 

私「そこですよ!期間とリスクはトレードオフなので、期間が短ければ金利も安いです。我々は長期の信用をご提示しています。その分は割高になることは自然ではありませんか?

 

顧客「まあ、そうですね。では、これで経営陣に相談してみます(とはいえ、そんなに違うものかねぇ。2%も違うんだぜ?メイン銀行だからって、高圧的だよなぁ)。」

 

・・・いや〜、あるあるですよね。

 

「議論に勝って、商談を逃す」の典型ですね。

 

こんな調子で営業してたら、すぐに顧客が離れていっていまいますね。

〜じゃあ、どうすの?butの部分の秘密とは〜

では、どうすれば良かったのでしょうか?ヒントはタイトルの通り、butの部分に秘密があります。

 

よろしければ、少し考えてみて下さい。

 

私自身、答えが思いだせなかったので、オーディブルを一時停止して考えてみました。

 

5分くらい考えました。

 

・・・分かりませんでした(苦笑)。

 

もう6回も聞いてるのに。

 

いかにに、1度読んだくらいでは自分の力として身についていないかの証左になってしまいました。

 

では、そろそろ解答です。

 

「butの部分は、お客様に言ってもらう!」

 

これが正解です。

 

振り返ってみれば、私は課長代理に昇格したあたりから、自然とやっていた様に思います。

 

改めて理屈を明示されて、非常に納得しました。

 

では、さっそくやってみましょう。

 

②正しい「Yes but話法」

 

顧客「あなたの立場も分かりますが、やはり金利が高いですね。」

 

私「左様でございますか、申し訳ございません(Yes)。ちなみに、お伺いしても良いですか?高いとおっしゃるということは、別の金融機関さんから、もっと低水準の金利提示がございましたか?(質問)

 

顧客「そうなんですよ。別のところからは、具体的には申し上げませんが、かなりの違いがある数字が出ていますよ。

 

私「そうでしたか。それでは、金利面以外は大きな違いが無く、今回は安い方の別金融機関さんでのご調達をお考えですか?

 

顧客「いえいえ、実は、まず期間が違いましてね。おたくは3年をご提示頂けているのですが、別のとこは1年だって言っているのですよ。我々からできれば長期でお願いしたいと言っているのですが、金利は安くする代わりに期間1年は譲れないって言うんですよ。それで、期間を取るか金利を取るか、正直悩んでいます。」

 

私「そうでしたか。差し支えなければですが、もしかして、別金融機関さんって、新規の営業ではありませんか?」

 

顧客「そうです。何故分かるのですか?」

 

私「各金融機関は、新規取引件数のノルマがあります。これは、金融庁が各機関に対して課しているノルマなので、ほぼ間違いなくどの金融機関でも新規ノルマがあります。この数字を達成するために、リスク-リターンの原則を無視した異例な低水準を提示して取引を開始することがあるのです。この行為自体は良いも悪いもないのですが、普通の事業会社さんは、何十年も事業をなさっていくので、継続的なお取引が前提かと存じます。一方、期間1年限定で新規営業を掛ける組織は、お取引企業の強みや機会の目利きを疎かにし、安い金利で新規の実績を挙げたら、次回も「新規取引」とできるように、融資の期間を1年以上空白にしようとしてきます。」

 

顧客「なるほど、だから頑なに1年を譲らなかったのですね。それなら、金利が安いだけで飛びつくのは、早計かもしれませんね(butの部分を顧客に言わせる)

 

私「失礼ですが、新規の金融機関さんは、組織としてどの程度のバックグラウンドがございましょうか?例えば、お取引する支店の上席の力量、支店の事務員の対応レベル、お困りごとを解決する際の本部のコンサルティング力・・・。お取引金融機関数をいたずらに増やすと、決算説明の手間やコンタクト回数の増加により、社長や部長のお手間も増えてしまいます。

 

顧客「確かに、担当者は『ガッツだけは負けません!』みたいなノリだったし、彼の上席は覇気が無かったなあ。口座開設の時に行った支店も、事務の子はミスが多く、店内もなんだか活気が無かった。その辺を考慮すると、安物買いの銭失いな取引になるかもしれないね(butの部分を顧客に言わせる)

 

私「一度、経営陣にこの数字で相談して頂けませんか?どうしてもご納得頂けないようでしたら、遠慮なくおっしゃって下さい。ご相談させて頂きます。」

 

顧客「よく分かりました。御社にはメインとしてずっと支えてもらってきていますし、この水準で社長に言ってみます。」

 

いかがでしょうか?ちょっと出来すぎですかね?

 

でも、これ、実話です。

 

本部で審査部に所属しながら、同時に現場の営業をサポートしていた時期があるのですが、現場の担当者が、「他行が安い金利を提示してきているから、ウチも安くしないとこの案件は取れない!低水準で決裁してくれ!」と、エライ権幕で電話してきたので、一度一緒に訪問したのです。

 

言うまでもなく、前半が、若手担当者がやった面談、後半が私がやった面談の流れです。

 

話し方一つで、お客様から大事な情報を聞けないばかりか、こちらが「あぐらをかいた殿様商売をしている」ように感じられてしまっていたのです。

 

間違ったYes but話法で、(悪気はなくても)ケンカを売るような商談には決してしないように、十分に気を付けたいものです。

 


2019年9月30日 第1刷発行

 

著者:堀江 貴文

 

発行者:三宮 博信

 

発行所:朝日新聞出版

 

【著者紹介】

1972年福岡県生まれ。元ライブドア代取。東京大学在学中の1996年、23歳でインターネット関連会社の(有)オン・ザ・エッジ(後のライブドア)を起業。2000年、東証マザーズ上場。2004年から2005年にかけて、近鉄バッファロ^ズやニッポン放送の買収、衆議院選挙立候補なで既得権益と戦う姿勢で注目を浴び、「ホリエモン」の愛称で一躍時代の寵児となる。

2006年、証券取引法違反で逮捕され、2011年に長野刑務所に懲役2年6ヶ月の収監。2013釈放。

その後、スマホアプリのプロデュースや日本初の民間宇宙空間到達に成功。多数の事業や投資など多分野で活躍中。

(著者紹介より抜粋)

 

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★
お役立ち度 ★★
ニヒルになる度 ★★★★

 

ついに、手を出してしまいました、ホリエモン本。

 

切れ味スルドイ着眼点独自の生き方は、多数のネットやSNSで発信されており、みなさまも良く知るところなのではないでしょうか?

 

すでに発信されているメッセージを注意深く集めれば、ホリエモンの考え方や発信内容は多く知ることができます。

 

ですから、本を買う必要な無いと思っていました。

 

しかし、「時間」についてメッセージを凝縮している本ということで様々なメディアで紹介され、読みたくてたまらくなり、つい買ってしまいました。

 

分かってたんですよ、良書であることは!

 

ただですね、ホリエモン本って、毎月新書が刊行されるんです。

 

一度ハマッたら、毎月買うことになるじゃないですか!!

 

と思って、今までは避けていたのですけど、諦めました。

 

このコーナーにも、しばらくホリエモンが登場することになると思いますが、お許し下さい。

〜「多忙」と「暇」は同義である〜

まず、この本で繰り返し語られる概念が、「自分時間」と「他人時間」という概念です。

 

読んで字のごとく、自分自身のために使う時間か、他人のための時間か、ということです。

 

「暇」は、みなさまもご想像の通り、悪です。

 

暇だと、余計なことに気をまわして思い悩んだり、他人をネットで口撃してウサを晴らしたり、ロクなものではありません。

 

ただ、じゃあ「多忙」なら良いのかというと、それもそうでは無い。

 

「他人時間」のために、自分の予定がギッシリ埋まっていても、本質的には自分のタメになっていないし、ワクワクする生き方でもありません。

 

目指すべきは、多忙ではなく「多動」

 

自分自身のために、自分がやりたいことを、次々とアクションを起こし実行していく。

 

これこそが大事だと書かれています。

 

私のような凡人には、「それができれば苦労はないよ」と思ってしまいます。

 

ですが、そもそも、会社に雇われて時間給で自分の時間を売って日々の糧を得ている以上、他人時間を取ること自体はやむを得ないことだと思います。

 

大事なことは、会社勤めの立場でも、自分がやりたいと感じて行うこと、例えば「お客様のために」や「営業目標を達成するために」という時間は、充実した自分時間だと思います。

 

逆に、意義が見いだせない会議や訪問に「イヤイヤ付き合わされる」時間は、他人時間で間違いありません。

 

こんな時間で、しかも「いつまでに」などと期限を切られて優先順位を上げさせられると、たまらなくイラつきますよね。

 

他人時間に振り回されないよう、会社内での業務を一つでも多く「主体的に」進め、1日のスケジュールを一つでも多い「自分時間」で過ごしていきたいものです。

 

〜努力するな、ハマれ。〜

シンプルで力強い言葉ですよね。

 

私も、ハマりやすくて飽きやすい性格です。

 

中小企業診断士試験も、こんな性格にちょうどよかったです。

 

(二度と受験したいとは思いませんが。。。苦笑)

 

飽きやすい性格は、自分の短所だと思っていましたが、色々試して次々に新たなことを始めて、面白くなければやめる。

 

ハマればハマる。

 

この本以外にも、「今の日本は変化の速い成熟社会になったので、じっくり準備をして一つのことに集中していては時代遅れになる」という見解が紹介されています。

 

時代に合っているのかな?などどポジディブに捉え、色んなことに挑戦していきますw

 

 

〜「将来を心配する」という究極のムダ〜

そもそも、将来がどうなるかなんて、変化の速いこの時代、いくら考えても分かりっこない。

 

現在の時間にヒマがあるから、将来どうなってしまうのだろうかなどどいうムダな思考が生じてしまう。

 

イマを自分時間で埋め尽くして、多動に生きていれば、心配をしている時間すら無い。

 

それでも、変化する時代に合わせて限りないトライ&エラーを繰り返し、まるで大きな「川」をたゆたうように生きていく。

 

そして、浮いている無数の果実を思うままに口に運んでみる。

 

・・・かなり省略してしまいましたが、おおよそ上記のようなことが書かれています。

 

ホリエモンって、もっと「ガツガツ」しているイメージがあったのですが、意外にも(?)泰然自若とした人生観なのだなぁと驚きました。

 

現時点で、このような達観した境地には全く至れず、日々将来のことを期待と不安で想像していますが、むしろホリエモンの言う通り、「イマを全力で楽しむ」という生き方も良いのかなと思い始めています。

 

このHPも読書の習慣も、今はハマっているので続けていますし、飽きたら突然やめるかもしれません。

 

そして、気づいたら急に復活したりするかもしれません。

 

そんな変化も勝手に楽しみつつ、やりたいことをやりたいように続けていきたいと強く感じさせられました。

 

 


2019年9月20日 第1刷発行

 

著者:田中 祐一

 

発行者:小川 淳

 

発行所:SBクリエイティブ株式会社

 

【著者紹介】

株式会社ザ・リード代表取締役

1986年1月23日生まれ。新潟県出身、芝浦工業大学卒業。大学卒業後は株式会社NTTデータに就職。仕事をしていく中で「この会社だけで通用するスキルで一生働いていくのか?」と葛藤。起業している先輩に「5年働けばどれだけ優秀な学生も並の会社員になってしまう」と言われたことをきっかけに起業を決意し退職。コンサルタントを名乗り活動するが、気が弱いことや、自分にカリスマ性がないことから全く稼げない日々が続いた。結果、起業資金800万円をわずか6ヶ月で借金100万円にしてしまい自信喪失。「自分ブランドをつくらなければ」「すごい人にならなければ」と考えていたが、地味な起業法と出会い人生が逆転。自分を主役にするのではなく、他人を主役にして応援することで感謝の報酬とやりがいを頂けるようになる。結果、3万円、10万円と少しずつ稼げるようになる。その後、本格的にビジネスを学び、あるクライアントの売上を10倍に。それが話題を呼び、裏方の地味な仕事が殺到。現在は「地味な起業」を含めた本格的なWEBマーケティングを教えるビジネススクールを開講。

(著者紹介より抜粋)

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★
お役立ち度 ★★★★
自分でもやれるかも度 ★★★★★

自分の部の部長が、とある日の朝会で紹介していた本です。

 

起業を促す本を紹介するのか??

 

と驚き、さっそく読んでみた一冊です。

 

自分が大手起業に所属していると気が付かない、世の中に必要とされている技能が、具体的に紹介されています。

 

その数、じつに47!!

 

一つ一つが、具体的に、実践的に、丁寧に書かれており、ここでご紹介しすぎると、丸パクリなサイトになってしまいます。

 

今回は、いつも以上に「さわり」だけご紹介します。

 

〜尖った起業家のお手伝い〜

すごい才能や飛びぬけたアイディアをもって、起業をして拡大に奔走している起業家はたくさんいます。

 

ただ、攻めの才能を神様にもらいすぎたのか、守りの部分が恐ろしく弱い人も相応にいらっしゃるそうです。

 

例えば、講演会の参加メンバーをリストにできない。

 

請求書が溜まっているけど支払ができない。

 

しゃべりは得意だけどITがまるで分からない。

 

どれも、その道のプロに頼むと素晴らしい仕事をしてもらえる代わりに、相応のお値段が掛かります。

 

ただ、そこまでの品質を求めていない場合、大企業で仕事をしていた「普通の」サラリーマンが保有している技能が、実はすごく役に立つことがあります。

 

それを、安い価格で(あるいは無料で)まずはお手伝いし、人脈と信頼を少しずつ増やしていく、というストーリーが骨子です。

 

・・・ホントに、そんな簡単なことが出来ない人が起業家の中にいるの?

 

なんて最初は思いましたが、自分の両親も自営業なのですが、事務系はからっきしで、「月数万円出すから誰かに手伝って欲しい」とぼやいていたことを思い出しました。

 

すでに成功している人が何人もいるので、ニーズはあるのだろうなと感じました。

 

〜Excel、ネット支払、HP作成〜

簡単なExcelでのデータ編集や、請求書をインターネットバンキングでお支払いする、HPを作成する。

 

こんな事務作業を安い単価で請け負うことが入り口なようです。

 

信頼が増加して、人間関係が深くなるにつれて、更に高単価な相談もありえるようですが、まずはリスクの少ないところから受注するそうです。

 

たしかに、新たな人脈で仕事を頼むのなら、リスクが少なく低価格でスタートしたくなることが人情でしょう。

 

逆に、あまりに低価格だと、すでに独立している人では時間単価が悪く受けられないので、独立したてや兼業・副業者にとってのニッチな市場であると言えそうです。

 

実際、この類の需要・供給をマッチングするサービスもいくつかあるようで、潜在的な市場は相応にあることが伺えます。

 

〜中期的には規模拡大を狙う〜

地味なお手伝いを続けて、ノウハウと人脈を増やしていくと、高単価かつ高難易度な依頼が舞い込んだり、今までの受注でも件数が多くて対応し切れなくなってきます。

 

そこで、同じようなことをして手が空いている人に仕事を振る「紹介」を増やすことに繋がります。

 

さらに続けていき、ノウハウを伝播したり組織を築いたりして、飛躍することも可能と紹介されています。

 

理論的には可能だと思うし、著者ご自身が身を立てて実績を示していますが、同じことを真似しても既に既存ネットワークがある中での競争は難しそうなので、自分は末端に加えてもらうだけで良いかな?と思いましたwww。

 

人脈やノウハウが溜まってきたら、自分の得意分野を訴求して深掘りしていきたいですね。