『営業の一流、二流、三流』

2015年11月19日 第1刷発行

 

著者:伊庭 正康(いば まさやす)

 

発行者:石野 栄一

 

発行所:明日香出版社

 

【著者紹介】

研修会社㈱らしさラボ代表取締役。1991年リクルートグループ入社(求人情報事業)。

営業職としては致命的な人見知りを4万件を超える訪問活動を通して克服。

その後は、リクルート社においてプレイヤー部門で年間全国トップ表彰4回を受賞、また累計表彰回数は40回以上の社内表彰を受け、営業部長、㈱フロムエーキャリアの代表取締役を歴任。

2011年、研修会社㈱らしさラボを設立。講師として、営業研修、リーダーシップ研修を中心に年200回を超えるセッションを提供。中でも、年1000人を超えるセールスパーソンが受講する「Sales Basic研修」はリピート率98%を超える人気のプログラムとなっている。

近著には、『絶対に残業しない人の時短(しごと)のワザ』『強いチームをつくる!リーダーの心得』(ともに明日香出版社)など多数。

その活動は、日本経済新聞、日経ビジネス、など多数のメディアでも紹介される。

(著者紹介より抜粋)

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★☆
お役立ち度

★★★★☆

若手営業に読んでもらいたい度

★★★★★


 

 今日は久々に、近所の美容院に行ってきました。

 

そこでは、いつもお客の興味を引きそうな雑誌を数冊選んで持ってきてくれるのですが、

 

前回、ビールと飲み会について盛り上がったからでしょう。

 

「世界のウイスキー これ1冊」という雑誌が紛れていました。

 

そもそも私は、日本酒は好きで、今でも時折外食では注文して楽しんでいるのですが、

 

家での晩酌といったら、最近はもっぱらビールになっていました。

 

キリンの「ホームタップ」という、自宅に設置するサーバーを主に利用しているのですが、

 

やはりコストが中々に掛かってきます。

 

なので、普段は缶ビールを挟んで楽しんでいるのですが、

 

やはり工場直送&サーバーの美味しさには敵いません。

 

ウイスキーは、学生の時に散々飲まされたり、社会人になってからもスナックなどで飲み放題で出されるハウスボトルしか飲んでいなくて、正直あまりイイ思い出がありませんでした。

 

また、良いお酒はやはりお値段も相応で、自然と避けてしまっていました。

 

しかし、この雑誌には、最近ではジャパンウイスキーも世界的に名声を得ており、良い品が多いとの特集が組まれており、金額に対して品質が良さそうです。

 

「それなら、試してみようかな」

 

ということで、帰り道に買ってみました。

 

 ジャパンウイスキー!!

 

2本で8,000円!!

 

とりあえず「富士山麓」から試しておりますが、良いですね!

 

グラスを傾けて口に入るまでのあいだに、フルーティーな香りが広がります。

 

飲み口はやわらかく、多少の量なら執筆しながらでも楽しめます(笑)

 

チェイサーは、格好つけずに魔法瓶の水筒に大量に作っておいて、ウイスキーと交互に楽しんでおります。

 

これなら、余計なツマミが無くてもお酒が楽しめるので、摂取カロリーと塩分も抑えられて良いことづくしですねw 

それでは、今週の1冊です。

 

久々に買いました。

 

『〇〇の一流、二流、三流』シリーズ。

 

結構、面白いですよね。

 

冒頭の写真にある通り、付箋がめちゃくちゃ貼られましたが、

 

今回は営業の流れである

 

「ヒアリング」→「プレゼン」→「クロージング」

 

において最も参考になった点を、三点ご紹介致します。

 

 


〜①:ヒアリング〜

「今はいらない」と言われた時・・・

 

三流は「あきらめ」

二流は探るのを「ためらい」

一流は探るために「何をする?」

 

ご存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、この「三流、二流、一流」シリーズは、一流の部分はクイズになっています。

 

今回は、お客様にセールスをしたときに、「今はいらない」と言われた時の返し方です。

 

三流は、「そうですか」とあきらめます。

 

二流は、理由やお客さんの本心を探ろうとはしますが、ためらいます。

 

では、一流はどうやってお客さんの本心を探りに行くのか?

 

これが今回のテーマです。

 

本書による解答は、以下の通りです。

 

(以下、引用)

 

「点数で質問することで、嫌味なくグッと踏み込んだヒアリングができます。」

 

営業「今のお車でお困りのことはございますか?」

 

お客様「う~ん・・・今は大丈夫かな。特にトラブルもないしね」

 

営業「それは素敵ですね。一つだけ、お伺いしてもよろしいでしょうか?し、今のお車に点数を10点満点でつけるとしたら、何点でしょうか?」

 

お客様「そうだね、、、え~、8点かな。」

 

営業「あと2点は、どんなことがあればいいとお考えですか?」

 

お客様「そうだね、、、燃費かな。リッター7キロなんだよね」

 

営業「と、おっしゃいますと?」

 

お客様「来月、子供が生まれるんだよ。お金がかかるからさ」

 

営業「それは、おめでとうございます!」

 

 

最初は「大丈夫」と答えていたお客様でしたが、「燃費に不満を感じている」ことをキャッチすることができました。

 

(中略)

 

最後に一つ。

 

もし「10点満点です」と解答されたらどうしましょう?

 

「何があれば12点になりますか?」と聞き返してください。

 

しぶとさも時には必要です。

 

(引用、ここまで)

 

これは、即効性のあるテクニックではないでしょうか?

 

私は、すぐにでも使いたいと思いました。

 

非常に使い勝手が良いですし、職種や相手を選ばずに使える質問ですね。

 

 

 

〜 To Do 〜

一流は、「10点満点では?」と、聞きにくいことは点数で聞く。


〜②:プレゼン〜

 プレゼンと説得の関係

 

三流は「自分も使っている」と説得し

二流は「あの人も使っている」と説得し

一流は、何をする?

 

個人向けの商品であれば、「自分も使っています。良いですよ。あなたもどう?」というセールスを良くみます。

 

これなら、普通の素人でも出来る営業です。

 

「このサービスは、A社でもB社でも好評です。」

 

なんとなく客観性がありそうですが、やはり「うちは他社とは事情が違うから」と言われればそれまでですね。

 

本書にある良い提案は、以下の通りです。

 

(以下、引用)

 

そもそもプレゼンとは、「説得」をすることではなく、「納得」を得るための行為。

 

とっておきの提案法があります。

 

それが、「選択肢」を示す方法です。

 

まず、A案とB案を決めます。

 

A案は、リーズナブルな案。

 

B案は、あなたがベストだと考える本命案。

 

そして、次の流れで提案します。

 

「A案のメリット」

「A案のデメリット」

「B案のデメリット」

「B案のメリット」

 

例えば、リフォーム営業を例にとってやってみましょう。

 

「リフォーム業者を選ぶ際、2つの方法があります。

 

一つは、知人にお願いする方法(A案)。

 

もう一つは、複数の専門業者のなかから選ぶ方法です(B案)。

 

前者は、何と行っても、知人の紹介なので安心できるのがメリットです。

 

一方、デメリットは、複数のプランからチョイスできないことです。

 

後者は、たしかに少し面倒です。

 

しかし、複数のプランからチョイスできるので、納得のプランを選べるのがメリットです。

 

目的を考慮されると、どちらがお考えに近いですか?」

 

いかがでしょう?納得した上で、B案を選ばれるように感じませんか?

 

(引用、ここまで)

 

どうでしょう?

 

私事で恐縮ですが、最近、大口の競合案件で三者競争入札になり、敢え無く敗退しました。

 

まさしく、このA案とB案を、「当社と他社」でやられた感じです。

 

もし、我々の提案の中だけで「A案とB案」を作っておいて、B案を本命にしておけば、結果は違ったかもしれません。

 

自分たちが考えうるベストプラクティスを提示したつもりでしたが、対になる案とプロコン表を作成するのは、面倒でもやるべき対応だったなと深く反省しています。

 

失敗を糧に、この機会の学びも含め、成長したいと実感した一幕です。

 

このページをお読み頂いた方には同じ失敗をせぬよう、是非とも参考にして下さい。

 

〜 To Do 〜
一流は、「方法は2つある」と選んでもらう。納得してもらうために、「選択肢」を示す。

〜③:クロージング~

クロージング

 

三流は「お待ちしています」といい残し、

二流は「また連絡します」と言い残し、

一流は、何を確認する?

 

営業の目標はなんでしょうか?

 

全体としては、「自分に課されたノルマをこなす」ですよね?

 

ステップを切り分ければ、一つ一つの商談としては「契約を締結する」ことが最終ゴールです。

 

そのためには、営業からクロージングを持ち出すことが必ず必要になります。

 

ただ、営業マンとしては、クロージングに苦手意識を持つものです。

 

というのも、一生懸命ヒアリングしてプレゼンして、それでもお客さんから「NO」をもらう可能性があるからです。

 

ただ、顧客側に立つと分かりますが、「NO」にも二種類あります。

 

一つは、「今はいらない」のNO。

 

これなら仕方ないですが、実はもう一つ。

 

「まだ疑問点が解消されていない」のNOもあります。

 

この、「まだ疑問点が残っている」段階で、営業が「また連絡します」と言い残して立去ったら、どうでしょう?

 

多分、この営業から買うことは無いでしょう。

 

ではどうするか?

 

本書から引用致します。

 

(以下、引用)

 

1.テストクロージング(契約の前行為)の場合

 

営業「では、プランだけでもおもちしましょうか?」

 

お客様「そうだね、お願いします。」

 

営業「なにか不安な点や、疑問点はございませんか?」

 

お客様「そうだね、、、大丈夫かな。」

 

営業「ありがとうございます。」

 

2.ダイレクトクロージング(本契約を提示)

 

営業「ありがとうございます。お申込み書を頂いてもよろしいですか?」

 

お客様「・・・・・」

 

営業「何かご不安な点や、疑問点があるのでしょうか?」

 

お客様「実は・・・」

 

営業「失礼しました。ご説明致します・・・・」

 

 

クロージングは、「意志を確認するサービス」。

 

なので、少しの不安も聞き漏らさない、この姿勢がとても大切なのです。

 

そして、絶対にクロージングから逃げないこと、これも営業のホスピタリティです。

 

(引用、ここまで)

 

どうでしょう。

 

クロージングから絶対に逃げないことが、営業のホスピタリティとまで言い切るこの言葉は、営業成績トップをひた走ってきた著者だから言える、重みのある言葉だと感服しました。

 

契約を取ってきてこその営業。

 

まずは、クロージングから逃げないスタンスからしっかり真似していきたいですね。

 

〜 To Do 〜
一流は、「ご不安な点はないですか」と確認する。クロージングは「お客様へのサービス」と考える。

〜まとめ〜

 

 いかがだったでしょうか?

 

本書には他にも、

 

「ペンは重量のあるものを使う」

 

「ネクタイは営業先のコーポレートカラーに合わせる」

 

「結果を担保できないときは、何が何でもやるという気概を示す」

 

などなど。

 

お役立ちな示唆に富んだ本になっています。

 

是非、最前線に立っている営業の人に読んで頂きたい本です。

 

新品でも1400円ですし、中古本ならもっと安く売っています。

 

自己啓発の一貫として、是非とも部下や同僚にもオススメして頂きたいと思います。

 

〜 To Do 〜
1.一流は、「10点満点では?」と、聞きにくいことは点数で聞く。

2.一流は、「方法は2つある」と選んでもらう。納得してもらうために、「選択肢」を示す。

3.一流は、「ご不安な点はないですか」と確認する。クロージングは「お客様へのサービス」と考える。