R2年度事例Ⅳ 再現答案

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R2年度 事例Ⅳ 問題文
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結果 A


第1問

 

(設問1)

D社および同業他社の当期の財務諸表を用いて比率分析を行い、同業他社と比較した場合のD社の財務指標のうち、①優れていると思われるものを1つ、②劣っていると思われるものを2つ取り上げ、それぞれについて、名称を(a)欄に、計算した値を(b)欄に記入せよ。(b)欄については、最も適切と思われる単位をカッコ内に明記するとともに、小数点第3位を四捨五入した数値を示すこと。

 

再現答案

 

①棚卸資産回転率 3.91

②営業利益率 2.15%

③当座比率 28.74%


(設問2)

D社の当期の財政状態および経営成績について、同業他社と比較した場合の特徴を60字以内で述べよ。

 

再現答案

 

高い評判で販売実績あり効率性は高い一方、顧客対応の費用負担が重く収益性が低く、薄い自己資本と短期調達傾重で安全性が低い。(60字)

 


第2問

(設問1)

ステーキ店の当期の売上高は60百万円、変動費は39百万円、固定費は28百万円であった。変動費率は、売上高70百万円までは当期の水準と変わらず、70百万円を超えた分については60%になる。また、固定費は売上高に関わらず一定とする。その場合の損益分岐点売上高を求めよ。(a)欄に計算過程を示し、計算した値を(b)欄に記入すること。

 

再現答案

 

①売上70百万円まで

70百万円×限界利益率35%=限界利益24.5M

固定費28百万円のうち24.5Mを回収、残り3.5百万円

②売上70百万円以上部分

固定費3.5百万円÷限界利益率40%=売上8.75百万円

 

+②より、損益分岐点78.75百万円


(設問2)

このステーキ店(同店に関連して所有する資産の帳簿価額は35百万円である)への対応を検討することとした。D社の取りうる選択肢は、①広告宣伝を実施した上でそのままステーキ店を続ける、②よりカジュアルなレストランへの業態転換をする、③即時閉店して所有する資産を売却処分する、という3つである。それぞれの選択肢について、D社の想定している状況は以下の通りである。

(以下省略)

①の場合の正味現在価値を(a)欄に、②の場合の正味現在価値を(b)欄に、3つの選択肢のうち最適な意思決定の番号を(c)欄に、それぞれ記入せよ。

(以下省略)

 

再現答案

(1)効果出る場合(70%

1y5yCF35百万円-広告費5百万円=30百万円

5yは売却CF24百万円あり54百万円

現価は136.134百万円・・・a

(2)効果が出ない場合(30%)

1y3yCF5百万円-広告費5百万円=10百万円

3yは売却CF28百万円あり18百万円

現価は▲3.538百万円・・・b

 

期待値はa×70%+b×30%より、95.29百万円

 

(1)好調の場合(40%)

1y12.5百万円、2y以降25百万円、5yは売却CF27足して52百万円

現価は106.637百万円・・・a

(2)不調の場合(60%)

1y7.5百万円、2y以降15百万円、5yは売却CF27足して42百万円

現価は71.337百万円・・・b

 

期待値はa×40%+b×60%=85.46百万円

 

 


第3問

D社は、リフォーム事業の拡充のため、これまで同社のリフォーム作業において作業補助を依頼していたE社の買収を検討している。当期末のE社の貸借対照表によれば、資産合計は550百万円、負債合計は350百万円である。また、E社の当期純損失は16百万円であった。

 

(設問1)

D社がE社の資産及び負債の時価評価を行った結果、資産の時価合計は500百万円、負債の時価合計は350百万円と算定された。D社は50百万円を銀行借入れ(年利4%、期間10年)し、その資金を対価としてE社を買収することを検討している。買収が成立した場合、E社の純資産額と買収価額の差異に関してD社が行うべき会計処理を40字以内で説明せよ。

 

再現答案

 

純資産150百万円と買収額50百万円の差額100百万円を、のれん代として資産計上する。(39字)

 


 

(設問2)

この買収のリスクについて、買収前に中小企業診断士として相談を受けた場合、どのような助言をするか、60字以内で述べよ。

 

再現答案

 

助言は、①シナジー効果について検討する、②企業文化の融和について検証する、③低い当座比率で返済余裕があるか精査するである。(60字)


第4問

D社の報告セグメントに関する当期の情報(一部)は以下の通りである。

 

  戸建住宅事業 飲食事業 その他事業 合計
売上高 4,330 182 43 4,555
セグメント利益 146 ▲23 ▲25 98
セグメント資産 3,385 394 65 3,844

※内部売上高および振替高はない。

※セグメント利益は営業利益ベースで計算されている。

 

D社では、戸建住宅事業における顧客満足度の向上に向けて、VR(仮想現実)を用い、設計した図面を基に、完成予定の様子を顧客が確認できる仕組みを次期期首に導入することが検討されている。ソフトウェアは400百万円で外部から購入し、5年間の定額法で減価償却する。必要な資金400百万円は銀行借入(年利4%、期間5年)によって調達する予定である。このソフトウェア導入により、戸建住宅事業の売上高が毎年92百万円上奏することが見込まれている。以下の設問に答えよ。

 

(設問1)

(a)戸建住宅事業および(b)D社全体について、当期のROIをそれぞれ計算せよ。解答は、%で表示し、小数点第3位を四捨五入すること。

 

再現答案

(a):4.31%

(b):2.55%

(設問2)

各事業セグメントの売上高、セグメント利益およびセグメント資産のうち、このソフトウェア導入に関係しない部分の値が次期においても一定であると仮定する。このソフトウェアを導入した場合の次期における戸建住宅事業のROIを計算せよ。解答は、%で表示し、小数点第3位を四捨五入すること。

 

再現答案

3.75%

 

(設問3)

取締役に対する業績評価の方法について、中小企業診断士として助言を求められた。現在の業績評価の方法における問題点を(a)欄に、その改善案を(b)欄に、それぞれ20字以内で述べよ。

 

再現答案

(a)

投資資本に期末残高を用い実態を表さない点。

(b)

毎月末残合計の平均値を採用し平準化を図る。