『頭に来てもアホとは戦うな!』

2014年7月30日 第1刷発行

 

著者:田村 耕太郎

 

編集担当:須田 剛 

 

発行所:朝日新聞出版

 

【著者紹介】

 

国立シンガポール大学リー・クアンユー公共政策大学院兼任教授。ミルケン研究所シニアフェロー、インフォテリア(東証上場)取締役、データラマ社日本法人会長。日本にも二校ある世界最大のグローバル・インディアン・インターナショナル・スルールの顧問他、日、米、シンガポール、インド、香港等の企業のアドバイザーを務める。データ分析系を中心にシリコンバレーでエンジェル投資、中国のユニコーンベンチャーにも投資。元参議院議委員。イェール大学大学院卒。日本人政治家で初めてハーバードビジネススクールのケース(事例)の主人公となる。著書に『君は、こんなワクワクする世界を見ずに死ねるか!?』(マガジンハウス)、『野蛮人の読書術』(飛鳥新社)など多数。

(著者紹介より抜粋)

 

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★☆
お役立ち度

★★★★☆

 非戦こそ生き抜く知恵である度

★★★★★


「施設付近に付くまで、千葉市内から車で2時間

 

 その後、入場まで6時間の行列。

 

 実際のイベントは20分で終わる、千葉県にある娯楽施設ってな~んだ?」

 

 

 

先週の5月17日(日) は、本ページを更新できずに申し訳ありませんでした。

 

毎週楽しみにして下さっている全国1,000人のファンに、お詫び申し上げます。

 

・・・スミマセン、うそです。そんなに固定読者はいらっしゃいません・・・。

 

さて、冒頭のクイズの答えですが、かの有名な「マザー牧場」です。

 

ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、コロナウイルスで自粛が続く中、マザー牧場では、車で施設内を周遊できる「ドライブスルーファーム」を開催しています。

 

(公式HPはコチラ

 

実は我が家は、年間パスポートを持ち、定期的に遊びに行くほどマザー牧場ファンです。

 

なかなか外出やイベントに出かけられず、ずっと家の中にいてストレスが溜まってきていた子どもたちを見かねて、同イベントに行ってみました。

 

千葉県在住者限定ということですし、1周20分の割には3,000円も掛かるというこもあり、多少の人気はあっても空いているだろうと呑気に考えて出発しました。

 

朝10:00頃に出発し、途中のコンビニで軽食を購入し、意気揚々と出発。

 

途中までは順調に進み、目的地まであと5キロというところで渋滞が始まりました。

 

・・・そこから入場までなんと6時間!!

 

渋滞開始が12時。受付通過が17時、さらに園内の駐車場で1時間の渋滞。

 

結局、動物がいるゾーンに着いたのは、18時でした・・・。

 

近くで動物が見れたことで子どもたちのテンションはMAXで、イベント自体は良いものでしたが、帰宅は21時になってしまい、とても更新できる状態ではありませんでした。

 

ということで、オススメのイベントではありますが、興味のある千葉県民の方は、早めの出発を目指して下さい。

それでは、今週の1冊です。

 

タイトルに惹かれて購入しました。

 

今までのラインナップのなかで、タイトルに 「バカ」や「アホ」と付くものは4冊目。

 

今まで約40冊書いているので、およそ10%のタイトルに悪口が入っている計算・・・

 

人間性がバレてしまいますね(苦笑)

 

それでは、まずは本書でいう「アホ」についてご説明させて頂き、例によって、勉強になった3点を書いていこうと思います。


〜⓪:本書でいう「アホ」とは?〜

本書で紹介されている「アホ」とは、学歴が低い人や頭が悪い人ではありません。

 

むやみやたらに他人の足を引っ張る人です。

 

例えば、以下のような人が紹介されています。

 

  • 会議で、なぜか特定の人の発言にだけいちゃもんをつける人

 

  • チームメイトなのに明らかに敵意を見せつけて協力的な態度をとならい人

 

  • 明らかにこちらの意見のほうが正しいのに、権力を振りかざしてそれをつぶそうとする人

 

そして、本書は、このような人に「倍返し」をして一撃を食らわせたり、こちらの溜飲を下げるようなことは推奨していません。

 

このような「アホ」と戦うことに、貴重な時間とエネルギーを費やさず、アホを避けようとする「非戦の書」です。

 

毎度のことながら、私のHPは本の要約ページでは無いので、気になった方は是非ご自身で読んで見て下さい。

 

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では、感想文の本編に入ります。

 

 


〜①:忍耐力〜

本書の著者が、人生で一番大事な素養を挙げろと言われたら、間違いなく「忍耐力」を挙げるそうです。

 

忍耐と言っても、ずっと我慢し続けるということではなく、「即答」「即応」をしないということであり、まず嫌なことがあっても、グッと受け止めることに忍耐力を使うべき、と書かれています。

 

熟成したビジネスパーソンになるためには、リアクションを起こす前にじっくり受け止めて考えるようにすべき。

 

まず何よりも、この癖を付けるべき、と説かれています。

 

学生時代はリアクションやアドリブが面白くて早いほうが人気者になれるかもしれない。

 

しかし、そんなことを社会人になってからしていると、百戦錬磨のアホに生殺与奪を握られるきっかけになることがある。

 

実社会に出たら、リアクションが早すぎる人間は未熟であり、じっくり考えてない人だと見なされる、と書かれています。

 

また、どうしても我慢ができないような応対をされたらどうすればよいのか?

 

本書では、笑顔で「なるほど」くらいの言葉を返しながら冷静に相手を分析して、どうしても我慢できなければ、「ちょっとトイレに行ってきます」と礼儀正しくもっともらしく伝えて、一旦その場を離れると書かれています。

 

こちらのリアクションが悟られる前に、相手にやられたフリをしながら冷静にその場を立ち去り、衝突や「あなたが嫌いです」オーラを悟られることを避けるべき、とされています。

 

これは、非常に高等戦術であるものの、アホな人間と対立することを避けるのに非常に有用だと思います。

 

私自身も、よせば良いのに反論したり楯突いたりして、ひどい目に合うことが度々ありました。

 

その場はこちらが勝ったとしても禍根を残して、結局別の機会にやり込められることもありました。

 

相手にしてもどうしようも無い人には、華麗にスルーできる心の余裕を持ちたいと思います。

 

 

〜 To Do 〜

アホ相手には華麗にスルーできる心理的余裕を持つ


〜②:困り顔をマスターする〜

弱った時に強気を装い平気な顔をする、つまり「やせ我慢」を美徳とする日本男児は多いのではないでしょうか。

 

武士は食わねど高楊枝、というやつですね。

 

ですが、本書の筆者は、経験上、助けを求めるときはもちろん、困っていなくてもそのような顔ができる人間に成功する人が多い、と書いています。

 

他人の善意にうまく乗っかり、他人を巻き込んでいく。

 

要は、他人の力を利用することがうまい、といいいます。

 

常に勝つための努力を惜しまず怠らず、それでいて平気で困った顔をして頭を下げられる人間ほど怖いものはない。

 

本書にはそう書かれています。

 

例えば、証券会社でダントツの成績の営業マンが、「全然売れないんですよ、助けて下さい」と平気な顔でなじみのお客さんを回る。

 

あるいは、一度もお選挙で負けたことがない政治家が、選挙の度に「このままでは負けてしまいます」と泣きそうな顔で支援者一人ひとりと握手して回る。

 

このように必死にお願いをされると、言われた側が、「よっしゃ、手助けしてやるか」となる。

 

これもまた人情、ということです。

 

もちろん、困り方の程度は重要で、あまりに手の施しようがない困り方だと「救いようがない」となりますし、逆に初歩的すぎると「それくらい自分でやれよ、甘えるな!」と叱られます。

 

常に努力を怠らず、それゆえ、他人の力を借りたい時に「困り顔」で助けを求める。

 

これが極意ということですね。

 

これは是非真似したいテクニックですが、本当に年中困っている私では真似する余地が無いかもしれません・・・(苦笑)

〜 To Do 〜
普段から努力を怠らず、他人にお願いする時は「困り顔」で行う。

〜③:上司の立場に立つ~

 

例えば、上司が自分を見てくれない、上司の言い分が納得いかない、上司の態度が気に入らない・・・

 

仕事をしていれば、上司に対する様々な不満を感じることがあります。

 

しかし、その度に上司の悪口をどこかで発散しても、何の解決にもなりません。

 

その上、同僚と飲みに行った際にそんなことを話すと、まず間違い無く、いずれ上司の耳にそのことは入ります。

 

アホな上司ほど、自分の評判を気にかけて、様々な手法で自身の情報を収集しています。

 

それでは、そんなアホな上司を持った場合、部下である我々には何ができるのでしょうか。

 

本書にその答えがあります。

 

まずは相手の立場に立ってみる。

 

そして、相手の立場で思考してみる。

 

自分が上司の立場だとすれば、自分は何を重要視して仕事をしているのか。

 

上司自身は、さらに上の人から、何を評価されるのか。

 

その時、部下である自分は、何に貢献が出来るのか。

 

大抵は、自分のチームに数字目標が負わされているので、その数字を達成することがまず第一です。

 

その上で、自分は何に貢献したのかも、分かりやすくアピールをしなければいけません。

 

「優秀な上司は、余計なアピールをしなくても、きっと分かってくれる」というのは、自分が分かりやすく伝達する義務を放棄しています。

 

上司に、部下を見る義務があるのと同時に、部下には上司に伝達する義務があります。

 

過剰なアピールは禁物ですが、仕事の方針がズレていないことを確認するためにも、定期的な報告・連絡・相談は、自分の努力を報告する良い機会になります。

 

上司の立場に立って、その人が望むことを実適施し、適度な報告で自分の動きをアピールする。

 

言うや易し、行うは難しですが、是非実践して行きたいですね。

 

〜 To Do 〜
上司の立場に立って、相手の望む部下像になるよう努力する

〜まとめ〜

付き合いにくい上司はどこにでもいるもので、普遍的な教えが説かれている良書でした。

 

本書は現代版の「孫子の兵法」を目指して執筆されたそうで、根本には「非戦」の考えが流れています。

 

昔流行った、某銀行ドラマのように「倍返し」することは気持ちが良さそうですが、現実には起こらないからドラマになるのであって、我々の日常で出くわす問題は、もっと小さい代わりに頻繁に起こる課題ばかりです。

 

一々倍返ししていたら、完全な敵対関係になって、とても仕事どころでは無くなってしまいます。

 

是非、華麗にスルー出来る忍耐力を養いたいですね。

 

P.S.本日は夕方にも今週分をアップします!・・・たぶん。。。

 

〜 To Do 〜
1.アホ相手には華麗にスルーできる心理的余裕を持つ。

2.普段から努力を怠らず、他人にお願いする時は「困り顔」で行う。

3.上司の立場に立って、相手の望む部下像になるよう努力する。