口述試験

2023年1月22日 口述試験を受験致しました。

 

場所は、4年目に2次試験の筆記を受験した、立教大学。

 

当時は、めちゃめちゃ狭い机に困らされたなぁ、、、と懐かしく思い出しておりました。

 

さて、口述試験は「落とすための試験ではない」とは言われておりますが、それでも、難易度は以下の通りだと思っています。

 

問題の難易度:中~高

 

合格の難易度:非常に低

 

ということで、結局は合格できるとは思われるものの、あんまり準備をせずに「ナメて」かかると、いや~な汗をかくハメになります。

 

ではさっそく、私の体験談を記述していこうと思います。

 

 

 

 


質問1

 

試験官①:「それでは、A社についてお尋ねします。A社は、新規事業に挑戦しようとしていますが、同時にA社の弱みを克服できる、新規事業への具体的な施策を述べて下さい。」

 

筆者:「まず、A社の弱みについてご説明させて頂きます。A社は、人材について問題を抱えています。OJT等で農業に必要な基礎知識を教育する体制がない上、地域の農業関係者との関係を作ることも難しく、人材の定着率が悪いという問題点があります。また、役割分担が明確ではないという問題もあります。

そこで、新規事業を展開するにあたって、まずは役割分担を明確にすることを助言致します。生産部門と新規事業である小売部門を明確に区分し、それぞれにあったOJT体制を構築します。その上で、両部門を定期的に移動させ従業員の流動性を確保すると共に、従業員が自分の適正にあった仕事を見つけたり、権限を渡して新しい事業を考案することを推奨することで、モラールを向上させ、定着率を向上させることを助言致します。」

 


 

質問2

 

試験官①:「A社は、これから事業承継を進めていくわけですが、後継者は新規事業の分野のみ担当している状況です。これから事業承継を進めるにあたって、現在の組織体制のままでは問題が起こる可能性がありますが、留意点をお答え下さい。」

 

筆者:「A社の後継者は、農業に関しては門外漢であったという記述がありました。つまり、生産部門については現場を知らない状態です。小売や商品開発のノウハウはあるものの、この状態では片手落ちであると考えます。従いまして、農業・生産部門の現場を経験し、どのような苦労があるかを知った上でマネジメントをすることが必要だと考えます。また、専門知識等でフォローをしてもらえるよう、事業承継後も先代に相談役として助言をもらえる体制も構築すべきと考えます。」

 

 

 


 

質問3

 

試験官②:「それでは、C社についてお尋ねします。現在C社は、X社との新規取引を進めています。現在はX社の在庫型センターへの納品となる予定ですが、今後、通過型センターへの納品となる可能性があります。在庫型から通過型に変わった際の、C社にとっての留意点を挙げて下さい。」

 

筆者:「従来の製品とX社の製品を比較すると、小ロット・短納期であり、これを実現する生産体制の構築が当社の喫緊の課題であると考えております。そんな中、在庫型から通過型に変わった場合、在庫分ではなく、荷合わせをして発送する分の納品となるため、更なる短納期・小ロットが要請される可能性が高く、当社が対応出来るかが論点になると思われます。加えて、納品遅れが全体のスケジュールに影響するため、納期への厳しさも在庫型に比べてより厳格になる可能性が高く、納期管理の厳格化にも留意すべきであると考えます。」

 

 

 


 

質問4

 

試験官②:「再び、C社についてお尋ねします。現在C社は、ベテランの熟練した技能を若手に伝承する課題があります。この課題に対して、どのように対応すれば良いか、中有小企業診断士として助言してください。」

 

筆者:「若手の教育や若手への技術承継は、大きく、OJT・Off-JT・自己啓発・マニュアル化/標準化という選択肢があります。まず、生産技術の承継ですので、基礎部分はマニュアル化や標準化を進めていくべきであると考えます。とは言え、当社の金型の高い生産技術は強みの一つですので、一朝一夕に標準化が出来るものでは無いと考えます。そこで、徒弟制度のように、ベテランと若手をペアにして、OJTにて時間を掛けて技術を伝えていくことを提案します。簡単な金型作成や修繕の案件が入った際は、若手に実際に作業をさせてベテランが結果をフィードバックする体制とし、暗黙知も含めて技術伝承をしていくべきであると考えます。」

 

 


 

 

という感じでした。

 

筆者は5年目の試験は、そもそもエントリーを出すのが期限ギリギリであったので、受験番号が最後の方でした。

 

口述試験は受験番号順に実施され、早い人は10時台から実施されていましたが、筆者は16:30の回でした。

 

夕方は質問が難しくなるという噂を聞いていて、「そんなバカな」と思っていましたが、やっぱりちょっと難しかったです。

 

回答はおよそ2分程度で回答することを求められるため、意外と長いです。ゆっくりしゃべっても、2分だと上記くらいの長さになると思います。

 

1次試験の知識がスッカリ抜けてしまっていると、口述試験でヘンに焦ってしまう恐れがありますので、くれぐれも、「ナメてかからぬよう」、用心して行きましょう!