『トップ5%社員の習慣』

2020年9月25日 第1刷発行

 

著者:越川 慎司(こしかわ しんじ)

 

発行者:谷口 奈緒美

 

発行所:ディスカヴァー・トゥエンティワン

 

【著者紹介】

株式会社クロスリバー代表。株式会社キャスター事業責任者。元マイクロソフト業務執行役員。国内および外資系通信会社に勤務し、ITベンチャーの企業を経て、2005年に米マイクロソフト本社に入社。2017年にクロスリバーを設立。メンバー全員が週休3日・完全リモートワーク・・複業を実践、支援した企業は600社以上。場所と時間にとらわれず利益を上げていく「稼ぎ方改革」の実行を支援。著書は『働く時間は短くして、最高の成果を出し続ける方法』(日本実業出版社)、『新時代を生き抜くリーダーの教科書』(総合法令出版)など10冊以上。

(著者紹介より抜粋)

【オススメ度】  
読みやすい度 ★★★★☆
お役立ち度

★★★★☆

トップ5%はやっぱスゲー度

★★★★★


今週は、今回の診断士試験の結果が返って来ました。

 

不合格だったのはもちろん分かっていたのですが、オドロキの結果でした。

 

  H30年度 R1年度 R2年度
事例Ⅰ  C C D
事例Ⅱ A C C
事例Ⅲ A B B
事例Ⅳ D A A
総合 B B B

H30年度は、事例Ⅳの計算問題でアリエナイ超超平凡単純ミスで不合格だったので、D判定は納得しているのですが。。。

 

それ以外は、年を追うごとに悪くなってます。。。

 

もう、どうすりゃ受かるんだ?この試験??

 

って感じですね。

 

対策を根本的に見直します(苦笑)

では、気を取り直して今週の1冊です。

 

Googleやグノシーで紹介されていたので気になって新書で購入した本です。

 

期待度が高かったのですが、期待以上でした。

 

例によって「3つご紹介致します」とやりたいところなのですが、参考になる箇所が多すぎました。

 

ですので、まずは付箋をつけたものを列挙させて頂いた後、更に3つに絞ってご紹介致します。

 


〜0:上位5%社員の共通項〜

 

 

本書は、1万8000人の仕事振りを分析して分かった、上位5%社員の共通項を紹介している本です。

 

読み終えた感想を申し上げますと、一見すれば、様々な自己啓発本に一度は登場してくるような話が大半です。

 

しかし、通常の自己啓発本が、著者の経験や周囲の人の経験等から、やるべきこと・避けるべきことを書いてあることが多いのに対し、

 

本書では圧倒的なサンプル数と分析から導き出された項目なので、説得力が非常に優れています。

 

そして、客観的なデータに裏付けられている行動原理だからこそ、躊躇わずに真似してみようという気にさせられます。

 

せっかく時間を作ってHPにアップするのに、3つだけでは勿体ないと思い、備忘の観点からも、気になったものを列挙していきます。

 

【5%社員の98%は、「目的」のことだけを考える】

  • 重要なPJが失敗してしまった時に、一般社員は「失敗したけど、頑張ったし皆と協力できたから良かった」と考える。
  • 5%社員は、「確かにみんなで頑張ったしやれるだけやったが、失敗したからにはどこかに失敗の原因があったのだ」と考える。
  • 失敗を失敗で終わらせること無く、失敗の発生原因をつきとめるチャンスと捉え、次の行動で修正する。

 

【5%社員の68%が、常に「ギャップ」から考える】

  • 目標を設定したら、「今月やるべきこと」、「今週やるべきこと」、「今やるべきこと」にブレイクダウンする。
  • ただし、準備に多くの時間は費やさず、最低限の計画を作ってすぐに行動に出る。
  • 差し戻しや行動修正の手間はあるが、速いスタートと行動量で、結局一般社員より早く目標に到達する。

 

【フィードバックは「プレゼント」と同じ】

  • 5%社員は、積極的に他者のフィードバックを得ようと自発的に行動する。
  • プレゼンをした後の参加者や会議後の主催者、失注した後の顧客に対して、自ら感想と評価を聞きにいき、成功と失敗の原因を突き止めようとする。

 

【ビジネスはギャップを埋めることで成り立つ】

  • 世界初の株式会社である東インド会社は、インドで簡単に入る胡椒や紅茶を、ヨーロッパで高く売り成功した。
  • 情報化社会においても、転職市場や結婚市場など、需要と供給の情報ギャップを埋めるビジネスは成功している。
  • 逆に、誰でもアクセスできるGoogle検索での情報には価値が乏しい。

 

【達成感を大切にする】

(後述)

 

【再現性を大切にする】

(後述)

 

【価値観と評価軸を重視する】

  • ビジネスの価値を高めるためには、時には他者との衝突や摩擦が必要になる。
  • 他者との衝突や摩擦を恐れない5%社員は、自身の価値観と評価軸が確りしている。
  • 思考停止しないよう、常識を疑う姿勢を持つ。

 

【タスクが片付いている状態を維持する】

(後述)

 

【週に1回、15分間の内省タイムを持つ】

  • 生活の中に、他人と交わらない1人だけの時間を作って、自分の行動や世の中のできごとを振り返る。
  • 頭の中だけでなく、ノートへのアウトプット等を実施する。
  • 自身の判断の根拠や結果への繋がり、次回への学びを検証する。

 

他にもたくさんありましたが、まずは自分に足りていない項目を中心に列挙してみました。

 

これだけでも、非常に多岐に渡って学びになる項目が書かれていることが分かると思います。

 

それでは、更に3つに絞って、ご紹介致します。

 

 

〜①:達成感を大切にする〜

 

お客様や上司から感謝されたり認められたりすると、やはり嬉しいですよね。

 

「お客さまからのありがとうが、自分の頑張る源泉です」

 

と、私も思っていましたが、これって実はちょっと危ないですよね。

 

なぜって、お客様や上司から認められないなら、頑張れないことになりますよね。

 

人に認められるから頑張る。

 

逆に言えば、人にばれないなら悪事を働いても良い。

 

極端なことを言ってはいますが、アドラーも、上記のことを根拠に、「承認欲求のみを求めた行動は危険である」と警鐘を鳴らしています。

 

5%社員も同様である、と本書にはあります。

 

すなわち、他者からの承認をベースにするのではなく、「自分の達成感」をベースに努力をするのです。

 

分かりやすい例が、本書に以下のように紹介されています。

 

(以下、抜粋)

クライアント企業の社員総計16万人に対して実施したアンケートで、「幸せを感じるのはいつですか?」と聞くと、一般社員の57%は「土曜日の朝」と答えていました。

この57%の一般社員は、「眼の前の作業に追われて、あっという間に日々が過ぎていく」と感じており、徒労感にさいなまれていました。「5%社員」に比べると労働時間が長く、それが上司からの評価に繋がらないことも多く、稼働日は疲労感を持っています。

その状態で、土日の休日に入りますので、十分に睡眠を取れれば幸せを感じます。

平日とは違い、目覚まし時計のアラームをセットしないで済む「土曜の朝」に幸せを感じる一般社員が多いようです。

一方、トップ「5%社員」の回答を分析してみると、最も幸せを感じていたのは「金曜日の夜」でした。ストレスいっぱいの仕事から開放されて、休日が訪れる前の日はワクワクするものです。

しかし、「5%社員」が感じていたのは開放感ではなく達成感であることが追加ヒアリングによって判明しました。

彼らの62%が達成感をもったときに働きがいを感じています。仕事から開放される喜びではなく、達成と成長を目指し、それらを感じられた時に幸せを感じているのです。

思うように成果が出せずに徒労感と疲労感をもつ一般社員は、それから開放された「土曜の朝」に幸せを感じ、「5%社員」はしっかりと目標をたててされを達成した「金曜の夜」に幸せを感じるのが特徴であることがわかりました。

(引用、ここまで)

 

あまり仕事に対してモチベーションが高く無い時は、休日に幸せを感じますし、やる気MAXの時は、金曜の夜というか、「重要な仕事が一区切りついた時」に幸せを感じることは、確かに分かる気がします。

 

開放感ではなく達成感で幸せを感じられるよう、目標を持った仕事の進め方をして行きたいですね。

 

 

 

〜 To Do 〜

金曜の夜に達成感を味わえるよう、目標とスケジュールをたてる。


〜②:再現性を大切にする〜

 

一般社員は、一時的な成果が出ただけで喜び、満足すると本書にあります。

 

対して、5%社員は、成果を出し続けるルールを見つけ出すために行動実験をする、とあります。

 

分かりやすい例が、ビジネスで誰かに対峙したり転職市場で価値を判断する時に、

 

「一部上場企業のマネージャーだ」

 

ということをどう捉えるか?ということが書かれています。

 

「一部上場企業」も「マネージャー」も、肩書であって、それだけではビジネス上のバリューはありません。

 

重要なことは、「どんな環境でも、マネジメント能力があり、部下の有効なマネジメントを実施できる」という、結果が出せることです。

 

つまり、環境によらない「再現性」が重要である、と本書で説明されています。

 

これは全くその通りですし、実際に体験します。

 

私の会社もそれなりの規模で社内異動も頻繁にあるので、自分が異動したり、異動者が赴任したりします。

 

中堅以上になると、「どんな職歴だったか」ということでその人の能力を推察するのですが、やはりこれだけでは当てになりません。

 

現実的に、今の職場で役立つスキルを発揮してもらわなければ意味が無いので、ビジネスにおけるバリューは「再現性」であり、特定の人間関係の中でしか能力を発揮できない人は、環境が変わると役に立たないという理由で、上位社員にはなり得ません。

 

言語の大きなハンディキャップを負っている自分が偉そうなことは言えませんが、せめて、国内では様々な環境でも十分なパフォーマンスを発揮できるよう、専門性の深堀りと周辺知識の拡大に引き続き取り組んでいきたいと思います。

 

〜 To Do 〜
再現性を高めるため、ルール作りと知識の深堀り・拡大を継続する。

〜③:タスクが片付いている状態を維持する~

最後は、納期を厳守するためのコツです。

 

期限を決める時は、必要な工数を見積もり、スケジュールを引いて実施しますよね。

 

でも、何らかの理由で期限が間に合いそうに無く、やむなく期限を伸ばすこともありますね。

 

そんな、リスケジュールを起こさいないための方法が上記の通りです。

 

「タスクが片付いている状態を維持する」

 

つまり、問題は即解決し、スケジュール通りの進行を維持するのです。

 

期限まで余裕がある時点なら、問題解決のために他のメンバーの手伝いや残業で、問題解決を図ることができます。

 

逆に期限ギリギリだと、対策を打とうにも時間切れとなってしまいます。

 

つまり、最初に作成したスケジュールに対し、未解決事項や問題が全くない状態とすることで、期限通りの成果物提出が可能になるわけです。

 

言葉にすると当たり前のことかもしれませんが、新しい商品やサービスを提供する時には、未解決事項も問題もドンドン出てきます。

 

それを次々解決していくことは簡単ではありません。

 

それでも、ゴミ屋敷だとゴミが一つ増えても気づかないように、ゴミに気づくためには「常に片付いている」状態を維持しなければいけない、と説明されています。

 

ゴールまでの道筋をしっかり見定め、障害をひたすら片付けていくスキルが必要だということですね。

 

 

〜 To Do 〜
常にタスクが片付いている状態を維持し、問題を即座に発見する。

〜まとめ〜

 いかがだったでしょうか?

  

どこかで読んだことがある項目が多かったですが、それだけ、有用なアドバイスが詰まった一冊でした。

 

無駄なアドバイスや、「それは、人それぞれだろう。。。」といった助言は一切無く、汎用性に富んだ示唆がギュッと詰まった一冊です。

 

気になる方は、是非原書をお読み頂ければと思います。 

 

もうすぐ年末ですね。

 

年賀状は書きましたか?

 

私は、今から着手します。

 

来週は、2020年最後のUPです。

 

体調に気をつけて、頑張って行きましょう!

 

〜 To Do 〜
1.金曜の夜に達成感を味わえるよう、目標とスケジュールをたてる。

2.再現性を高めるため、ルール作りと知識の深堀り・拡大を継続する。

3.常にタスクが片付いている状態を維持し、問題を即座に発見する。