2016年3月18日 第1刷発行
著者:新田 龍(にった りょう)
発行者:石野 栄一
発行所:明日香出版社
【著者紹介】
株式会社ヴィアベータ代表取締役
厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員
ブラック企業アナリスト
1976年生まれ。
早稲田大学卒業後、「ブラック企業ランキング」ワースト企業を複数経験し、事業企画、営業管理職等を歴任。
2007年、企業防衛コンサルティング会社「株式会社ヴィアベータ」を設立。「脱・ブラック企業」のための組織改革と、「ブラック企業による被害救済」のためのアドバイスを行う。
また、各種メディアにおける雇用・労働問題のコメンテーター、厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員も務め、「ブラック企業撲滅」と「地道に働く人が報われる社会実現」のために活動中。
「週刊ニュース深読み」「さんまのホンマでっか!?TV」「たかじんNOマネー」などのTV出演、『「伸びる社員」と「ダメ社員」の習慣』などの著者も多数。
(著者紹介より抜粋)
【オススメ度】 | |
読みやすい度 | ★★★★☆ |
お役立ち度 |
★★☆☆☆ |
20代後半にオススメ度 |
★★★★☆ |
8月に入りましたね。
遠くでセミが鳴いています。
やっと梅雨も明けて、これから暑くなりそうですね。
今年の7月は1度も台風がやってこなかったという珍しい年で、被害がなかったことは良いことですが、「通常と違う」ということはなんだか不安も感じさせます。
今年は既に大変な年なので、せめて日常や天候は安定していて欲しいものですね。
それでは、今週の1冊です。
本屋で軽く立ち読みをして購入しました。
著者の「ブラック企業アナリスト」という肩書に惹かれたというところが本音ですね。
中身は、至極まっとうな事を書いておりました。
私自身が30代後半であり、ほとんど実践していたり、「そりゃそーだ」と思っていることが大半だったので、あまり「学びになった」ということは多くありませんでした。
むしろ、これから30代を迎える20代後半や、30代前半の人に是非読んでもらいたいと思いました。
例によって、学びになった項目を3つご紹介致します。
日常の業務やプライベートにおいて、自分の思い通りにならないことはよく起こります。
その原因を、「上司」「部下」「環境」「景気動向」「ライバル他社」・・・などの責任にして、「自分は悪くない!」と考えることが「他責」です。
『「他責」としてしまうと、そこで思考停止になってしまい、前向きな反省や次に活かせる学びに繋がらない。
だから、「他責」は慎むべきだ。』
という論調は、このHPの読者の方々ならよくご存知だと思います。
私もそう思っています。
ただ、現実世界では、「これは、絶対に自分が悪くない!100%あいつが悪い」ということも往々にして起こります。
このときも、「いやいや、他責はいけない。こうなることを見越して、あらかじめ手を打ってなかった自分が悪い」と、無理して「自責」に落とし込むことは、やってやれなくはありませんが、やはり難しいものです。
そこで、著者が提示している考え方が、
「事責」
です。つまり、
「【問題の根源】を主語にして考える」
という考え方が紹介されていました。
この方法だと、自分・相手という2者のどちらかに責任を負わせず、問題の真因に責任を負わせることになります。
結果的に相手が100%悪かったとしても、これは、「まず原因」があり、その原因を起こした責任を問うため、単純な「他責」とは異なります。
また、「おまえが悪い」では、人格否定にも繋がりかねませんが、一方で、
「この問題は●●に真因がある。これは、あなたの▲▲という言動が原因であった。だから、その言動を今後は慎むように」
という、相手にとって前向きな反省に繋がります。
まず、『「自分」か「相手」か、どちらに責任があるか』という考え方をやめて、
そもそもの原因から考える「事責」とする。
公平だし分かりやすいアプローチであると思いました。
さっそく、取り入れてみたいと思います。
〜 To Do 〜 |
「自責」、「他責」をやめて、「事責」から始める |
これは、もう、言わずもがなですね。
学びになったから書いたというより、自戒を込めて取り上げました。
そもそも、昔話や自慢話というのは、何故してしまうのか?
これは、現在の自分に自分自身が満足していないから、でしょう。
そして、他人からの承認欲求が満たされていないため、つい過去の自慢を口にして、他人から「すごい」と言われたい、ということです。
また、承認欲求は満たされているものの、ウッカリ目下のものに自慢話をしてしまうパターンもあります。
これは、「相手より年長で経験を積んでいるので、相手は自分の話に耳を傾ける価値がある」、という思い込みから来ています。
どちらも、聞かされる立場の人からすれば、イタい以外の何物でもありませんね。
私の周囲の人ならご存知だと思いますが、私自身、気をつけようと思っているものの、ついつい過去の話や自慢話をしてしまうタイプです。
ホント、気をつけます。。。
〜 To Do 〜 |
自慢話や過去の栄光を語らない |
他人に嫌われること、これは気持ちの良いものではありませんよね。
前々回でも書いておりますが、「他人に好かれる」というこはそれだけで得なものです。
ただし、本書でも書かれているのですが、「全員に好かれる」ということは事実上不可能です。
いくら時間とエネルギーを費やしても、嫌われる人からは結局嫌われるものです。
自分と意見が違う人とは、自分の意見の正しさを真摯に説明はするものの、それでも理解を得られないなら、「それはそれで、違ってOK」で良い、と筆者は述べています。
全く同感ですが、日頃の自分の行いを省みると、やはり、全方位迎合的な言動を取ってしまう傾向にあります。
まずは、自分の芯となる考えや意見をもって、その後に周囲と議論をすべきだと改めて感じました。
〜 To Do 〜 |
まず、自分の意見を持つ。周囲の意見に流されない。 |
知らなかった考え方を学ぶというより、未だに治らない自分の悪癖を省みる本となりました。
他にも面白い話が書かれていましたので、興味を持った方は、ぜひ書店で探して見てください。
〜 To Do 〜 |
1.「自責」「他責」をやめて、「事責」から始める。 |
2.自慢話や過去の栄光を語らない |
3.まず、自分の意見を持つ。周囲の意見に流されない。 |