事例Ⅳ(D社)は、財務分析の事例です。
与件文はA41ページしかなく、代わりにBS・PLの財務諸表が与えられることが特徴です。
従来は、計算問題が中心であり、与件文は(ほぼ)読まなくても答えられる設問が中心でした。
しかし、筆者が受験したH30年度の試験は、随所に与件文の使用が必要な設問が散りばめられており、大変苦戦致しました。
80分×3テーマを本番の緊張感で解いた頭に、難解な経緯とビジネス領域の説明文章が続いて、全然頭に入らなかったことを良く覚えています。
ぜひ、今試験勉強をしているみなさまは、事例Ⅳとは言え与件文は重要であることを認識して頂ければと思います。
計算過程の記載と最終的な数値回答が主流のように感じます。
電卓の持ち込みがOKなので、ガシガシ計算していく事例です。
特に、毎年必ず問われる「財務諸表分析」は、設問上は3問しか問われませんが、最適な諸表を選択するために、18諸表×2社分=36諸表の計算が必要になるので、電卓の使用方法は意外と重要です。
是非、答練の時から、素早く全諸表を算出する訓練を積んで下さい。
事例Ⅳのバイブルと呼ばれている本が、
「意思決定会計講義ノート」 通称イケカコです。
これが無ければ、事例Ⅳの突破は絶望的と思います。
事例Ⅳは、イケカコの問題演習を如何に繰り返せるかがポイントだと思います。
銀行員の筆者も、事例Ⅳの答練には相当の時間を費やしました。
普段、業務で財務分析をされていない方が太宗でしょうから、筆者以上に事例Ⅳ対策は時間が掛かると思われます。
「2次試験対策が、1次試験合格後に始めたのでは間に合わない」と巷で言われているのは、この要因が大きいと思います。
☆財務諸表(効率性・安定性・収益性)
☆WACC算出
☆総投資額の現在価値算出
☆DCF法算出
☆営業CF・投資CF・財務CF算出
☆経済的付加価値
☆財務レバレッジ効果
財務諸表を3つ選択させる問題は、設問に明示はありませんが、収益性・効率性・安定性から1つずつ選択する必要があります。
さらに、他社比優れているものと劣後しているものに分けて指摘し、その内容を基に企業の全体感も論じる必要があるため、財務諸表の算出は、素早く正確に出来るよう、日々訓練する必要があります。
その上で、過去問とイケカコの計算トレーニングを繰り返せば、大概の計算問題で「フリーズ」する大失敗のリスクは減ると思います。
何より、本番の4テーマ目であり、頭の体力はヘトヘトで思考するのもイヤになっている時間帯ですので、答練の時から、会社帰り等の疲労困憊の時間帯にトレーニングすることが効果的かと思います。
(ドMなやり方ですが・・・)。
他の3事例以上に、正解・不正解がハッキリ分かる事例ですので、努力に対する得点向上効果が一番大きいと思います。
苦手意識を持つ方が多いと聞きますので、克服して強みに出来れば合格が近づくのではないでしょうか?